「これで日本版の冷戦が幕を閉じることになります」
日本共産党が今夏の参院選に向けて多くの選挙区で独自候補を降ろし、民進党候補や野党統一候補に乗っかる。私がこんな解説をすると、官僚や財界人の中から「それは興味深い」という反応が聞かれる。
「日本版冷戦の終わり」とは、こういう意味だ。
1989年、米国とソ連の首脳が冷戦終結を宣言。しかし、日本では冷戦構造が崩壊するには時間を要した。93年、政治改革をめぐって自民党が分裂、総選挙で過半数を失って非自民の細川護熙連立政権が誕生した。衆院に小選挙区比例代表並立制が導入され、2大政党政治が動き始めた。自民党は政権に復帰したが、55年体制下で対峙してきた社会党は衰退。日本政治は自民党・公明党ブロック対民主党という構図になり、共産党は独自の戦いを進めた。
そして今回の共産党の動きである。安倍晋三政権が昨年、集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法を強行採決したことが、共産党の決断を促した。志位和夫委員長は「安倍政権の暴走を阻止するためには、野党がまとまらなければならない。国政選挙では野党共闘を目指す」と表明。参院選の選挙区で野党候補に選挙協力することとなった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら