【産業天気図・半導体】DRAM市況悪化で半導体製造の一部は「雨」、装置メーカーは投資活発化で「晴れ間」のまだらな景況感
マイコンやシステムLSIを手がけるルネサスエレクトロニクス(10年4月にNECエレクトロニクスと日立・三菱系のルネサステクノロジが経営統合し発足)は、産業機器やモバイル機器向けを中心に需要改善が進んだことに加え、当初計画を上回る研究開発費の圧縮などが奏功し上期営業黒字化を達成。最終損益は巨額の構造改革特損が出るため大赤字が続くが、リストラ効果によって10年度後半以降、利益は右肩上がりとなる見通し。
半導体製造メーカーは、DRAMの環境悪化や最終製品の在庫調整など一部で減速懸念が強まっているが、業況は比較的堅調に推移する可能性が高い。旺盛な半導体メーカーの設備投資意欲を背景に、東京エレクトロン、日立ハイテクノロジーズなどは業績見通しを増額。11年度前半にかけても、新ライン計画が多数控えており、設備投資が予定通りに行われれば、一段の利益拡大が見込めるだろう。ただ、液晶を中心に減速の動きも見られ、小雨がぱらつく展開もあり得る。
(長谷川 高宏=東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら