在宅介護が難しくなると、頼りになるのは老人ホームだ。しかしサービスの内容や料金体系が複雑で、選び方に悩む利用者は多い。
札幌在住の佐藤優子さん(仮名・62)は、義母を特別養護老人ホーム(特養)に入れたものの悩みが尽きない。「義母はベッド上での生活が長く、排泄もおむつで食事は流動食。職員は一生懸命に世話をしてくれるが、認知症が進んだ気がする。ほかに選択肢はなかったのだろうか」。
社会福祉法人が運営する特養は、老人ホームの中でも人気が高い。待機者は約52万人おり、数年待ちの状態になっているほどだ。介護保険制度の改正で4月からは「要介護3」以上の中重度者に入居対象者が限定され、さらに狭き門となった。
人気の理由は、終身利用可で費用が安いから。4人部屋で食費や介護費込みで月8万~9万円程度で利用でき、入居時の一時金も不要。ただし最近は10人前後の小規模な生活単位でグループ分けした「ユニット型個室」が増え、月13万~15万円程度となっている。個室を選ぶと利用料は民間の老人ホームと大差なく、すぐに入居できる点では民間のほうが使い勝手はいいくらいだ。
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