介護の問題が注目されてきたことで、これまで子育て女性だけとみられていたワーク・ライフ・バランスの対象が広がってきたといえる。介護では、働き方の変革や介護サービスの充実に加えて、家族介護の見方をどこまで変えられるかが重要だ。世間には、働きながら介護をすることは難しいという思いがある。離職する人に見られる特徴は、直接的な介護を自分で抱え込み、介護サービスの利用や親族との協力がなされていないところだ。家族介護者の役割・かかわり方について、見直していく必要がある。
育児のほうはようやく離職に歯止めがかかった。正社員女性の出産時の離職は、育児休業からの復帰後に短時間勤務が可能となったことで、ここ数年急速に減少している。1歳や2歳の子供を保育所に預けるのはかわいそうだという見方がある程度払拭されたことも大きい。価値観が変わるのには時間がかかる。今は、育児期の短時間勤務と1歳からの保育所の利用という環境を、女性たちや社会が受け入れている。
事例はさまざまでも基本線を決めておく
企業の人事の方に話を聞くと、介護にはさまざまパターンがあるので、それに応じた支援が必要だといった思いが強い。だが、従業員の中にどんなニーズがあるのかをつかみきれておらず、過度に難しいケースを想定している。
たとえば、遠方に住む親の介護で、週に2日しか働けないケースをどうするかなど。しかし、多くは同居や近距離で介護しているケースであり、要介護者本人が一人でいられる時間もある。困難な状態でも、働きながら介護する社員が長期に休業する、極端に少ない日数や時間で働くといった選択をすると、正社員として働いているという実感を本人が持てず、離職につながる可能性が高まる。
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