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欧米の紛争対策に誤り 終わりなき民族大移動

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中東の紛争地からEU諸国へ密入国する移民が殺到。打開策は見えない。

ブダペストの駅でドイツ行きを要求する人々。ハンガリー警察は駅を一時封鎖。(ロイター/アフロ)

ドイツを中心に、移民・難民の受け入れに寛容で高度な社会保障を提供するEU(欧州連合)の諸国に向け、移民が殺到している。移民たちはトルコからギリシャへ向かう地中海東部か、リビア、チュニジアからマルタやイタリアを目指す地中海中部を経路とする海路で密入国し、そこから陸路でおのおのの最終目的地へ移動している。

海路で移動する途上、密航斡旋業者によるずさんな手配や過剰な搭乗のような非人間的な処遇によって、命を落とす者も続出しており、今年はこれまでにおよそ2600人が死亡したとされる。そうした死者の中に、9月初めに密航途上で溺死して、トルコの海岸に打ち上げられた幼児がいた。遺骸の画像が広くメディアで報じられることで、移民急増の問題はEU諸国のみならず、世界に衝撃をもって受け止められた。

一方で、2015年にEU諸国に密航した移民の総数は35万人を超えているとみられ、大半が地中海の東部か中部の海路を利用している。そうなると、実は海路を経由した密航の成功率は、99%を上回ると思われる。

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