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第2のIS誕生もある中央アジアを分析する 職場などで役に立つ「中期分析」の方法(3)

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中国・新疆ウイグル自治区の町でテロ容疑者を捜索する中国当局。この地域を中心に「第二イスラム国」が誕生する可能性がある(時事)

近未来の情勢を予測するに当たっては、インテリジェンス機関が行う中期分析の技法が役に立つ。しかし、その技法には、熟練した分析官による職人芸的な要素があるため、ノウハウを外部に伝えることが難しい。CIA(米中央情報局)、SVR(ロ対外諜報庁)、モサド(イスラエル諜報特務局)の組織には、管理部門、工作部門、分析部門、教育部門などが設けられている。

分析部門はもっぱらデスクワークになるが、専門家と認定されるためには、最低一つのテーマに10年間従事することが要請される。その間に何度も短期分析(数カ月から1年以内の未来について、誰が何を行い、その結果、どのような状況になるかについての精密な予測)、中期分析(5年以内の情勢について誰がキーパーソンになるかを含む具体的な予測)、長期予測(5年以上の大ざっぱな流れについての予測。現在の構造が変化するかどうかの見通しが重視される)に関するリポート(分析メモ)の提出を頻繁に求められる。予測が何度も外れる者は分析部門から去ることになる(大学やシンクタンクに転職する場合が多い)。

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