革新性は生きているか アップルウオッチ見参
デジタルガジェットと腕時計。その価値観の違いをどう克服する。
4月24日。米アップルが「Apple Watch(アップルウオッチ)」を市場に投入した。今月10日から予約が開始され、商戦はすでに過熱ぎみだ。アップルは直販店でも予約なしの販売を行わず、今から予約しても手にできるのは最短で4週間後。一部生産の遅れも指摘されるが、売れ行きが好調なのは疑いない。予約済みの台数は公表されていないものの、米国内だけで100万台を超える、との観測もある。
スマートウォッチ分野では競合がひしめくが、どれも売れ行きは芳しくない。先行した米グーグルの「アンドロイド・ウエア」は、複数のメーカーを合計しても、計70万~80万台という。目下市場のリーダーであるベンチャー企業の米ペブルも、発売以来、14年末にやっと100万台を超えたところ。今や四半期で7000万台以上も売り切る、アップルの「iPhone(アイフォーン)」と比べ、その差は歴然だ(図表1)。
アップルウオッチはスタートダッシュに成功したといえそうだが、この市場が健全に成長するかについては、懐疑論も根強い。何ができるか、何が便利なのか、いま一つ明解でないからである。
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