現代社会は複雑で、世の中にはさまざまな専門分野がある。専門分野もかなり細分化しているので、最先端のことを理解できるのはごく一部の専門家に限られる。それだから「STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)を発見した」という話が出ると、「理研(理化学研究所)の発表だから信用できるだろう」と多くの専門家や科学記者がその内容を信用してしまう。
STAP細胞の場合は、自然科学分野なので専門家の間の共通ルールがかなり定まっている。それだから、無名の科学者たちがインターネットで小保方晴子氏らの研究結果について異議を申し立てたのに対しても、専門家のコミュニティが反応した。そしてSTAP細胞の発見という事実を理研は撤回するに至った。
これが、実験による検証ができない世の中で日々発生する政治や経済、社会などの出来事ではどうか。「イスラム国」(IS)の問題を考えてみよう。専門家はたくさんいる。中東の地域研究専門家、イスラム法専門家でISに同情的な人もいる。このような専門家の見解は、重視しなくてよいのだろうか。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら