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ソフトバンクの“誤算" 米国の戦略拠点を縮小

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シリコンバレーに開いた新拠点。当初の構想と現実の落差は大きい。

2014年11月の中間決算会見で、孫社長は米スプリントの反転攻勢を強調していた(撮影:梅谷秀司)

米シリコンバレーに構えたソフトバンクの戦略拠点が、早くも大幅な軌道修正を強いられている。

2013年9月に開設した新オフィスは4階建てのビル2棟(下写真)。携帯端末の調達や開発、ネットワーク試験、現地企業との連携など、多くの役割を担い、1000人規模が働く一大拠点にするつもりだった。

南側(写真中央右)に位置するビルでは90人弱のスプリントとソフトバンクの従業員が働く。体制変更でその陣容はさらに縮小する見通しだ/北側(写真中央左)に位置するもう1つのビル。一部の取引企業が入居するが、ほとんどが空きスペース。テナント募集が検討されているもよう((C)2015 Google)

だが現実は、孫正義社長が描いた構想に遠く及ばない。目下、拠点で働くのは90人足らず。ソフトバンクは70人弱の社員を送り込んでいるが、その大半を占め、端末開発を手掛けるプロダクト・サービス部隊が2月末までに日本に引き揚げる見通し。警備など現地で採用した総務スタッフの一部も解雇している。

経営戦略や企画担当の人員が残るものの、入居しているグループ会社を考慮しても、30人ほどの陣容になりそうだ。ほとんどが空きスペースとなっている片方のビルでは、テナント募集が検討されているもよう。“中核拠点”で何が起きているのか。

シリコンバレー拠点の入り口。開設当初は壮大な構想を描いていた

買収の頓挫が引き金

これには、米携帯業界4位のTモバイルUSの買収中止と、同3位で13年に傘下に収めたスプリントの体制変更が関係している。

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