コロナ禍の台湾で「電撃結婚」した37歳女性の本音 「金融機関勤務の会社員」と怒濤の結婚、妊娠

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34歳のときだった。仲間と過ごす時間も1人で気ままに暮らす時間も、同じぐらい好きだという智子さん。家事をすべて担っていた同棲を解消してみると寂しさよりも「めっちゃ楽」だという気持ちが高まった。

台湾には若い日本人居住者も多く、智子さんは同い年生まれの日本人と一緒にLINEグループを作成。「台北に来られて、ちゃんとしていそうな人」を選んで仲間に入れ、飲み会や旅行を楽しんでいた。孤独感が募りにくい環境である。

爽やかなエリート会社員の彰さん

彰さんはその仲間の1人だ。都内の有名私立大学を卒業直後に難関国家資格に合格し、プロフェッショナルとして金融機関に就職。静かだが精力的で賢そうな雰囲気を漂わせている男性だ。勢い重視の智子さんとは対照的に見える彼にも話を聞こう。

「20代の頃は結婚を考えませんでした。通っていた大学には派手な人も多かったので少しビビっていましたね。彼女は数年に1回できる程度。僕には智子さんのように華やかな交際歴はありません(笑)。それでも32歳ぐらいで結婚するんだろうな~と漠然と思っていました」

堅苦しくはないけれど純朴なところもある爽やかなエリート会社員男性。国内で婚活をしていたら激しくモテたに違いない。しかし、彰さんは海外駐在に手を挙げたことで婚活市場からは離れたところに身を置くことになった。

「本当は英語圏に行きたかったのですが、行き先は台湾でした。でも、給料をもらいながら海外に行かせてもらえるだけでありがたいことです。中国語は現地に行ってから学びました。翻訳や通訳のスタッフに助けてもらいながらも外国人と一緒に仕事を遂行できたのは自信になっています」

彰さんは先々、独立開業をする志を持っている。経営層とより近い場所で働くためだ。

キャリアの面では大胆かつ着実に実績を積んでいる彰さん。結婚に関しては計画性があったとは言い難い。東京から台北に渡って2年目の冬になぜか九州での婚活パーティーに出席している。

「台北から九州は飛行機で1時間半と近いんです。東京にいる友だちと誘い合って参加しました」

そこで知り合った6歳年下の女性と交際を始めたが、関東地方出身の彰さんは九州とは縁がない。実際に会えたのは2回だけですぐにコロナ禍に突入。電話だけでかろうじてつながる関係になってしまった。

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