罪意識が希薄「SNSいじめ」から子ども守るネットリテラシーの高め方 LINE外し、インスタやTwitterでのなりすましも

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SNSいじめとリアルないじめは何が違いますか?とよく聞かれることがあります。基本的に、ネットとリアルは地続きであると私は考えていますが、SNSいじめのほうが「いじめている」という罪の意識が希薄で、いじめの内容がエスカレートしやすい特徴はあります。

ある女の子が自分の写真をアップして、もともとちょっとその女の子を気に入らないと思っていた別の子が、「この程度で自慢?」「足太いね~」と書き込み、そのうちにほかの子たちも女の子を揶揄する書き込みをし、しだいに激化して、徹底的にたたきのめすような発言が続きました。

どうせ誰が書いたかわからない、みんなも書いている、だから別に平気だろうという意識から、冗談交じりの悪口がいつの間にか相手を完全に攻撃する誹謗中傷にまでエスカレートしていった、SNSいじめの典型的な事例です。

SNSいじめは、場合によっては匿名だったり、集団心理から加害者の自制心が働かなくなり、そのうえ「いじめている」と自分の悪意ある意識に気づいていない、気づこうとしない傾向があります。

いじめは、加害者側は「過去のこと」でも、いじめを受けた側にとっては長く傷が残るものです。

インターネット上では、いつまでも書き込みや写真が残る。それを見るたびに、被害者の傷口は深くなる。被害者は長い間、ネット上に置き去りにされたナイフで傷口をえぐられる怖さがある。リアルのいじめのように、物理的に加害者から遠ざかることによる解決策が使えないことも、SNSいじめの特徴といえるでしょう。

昨年コロナで休校になった時期、学校に通わないのでリアルのいじめは減ったかもしれませんが、SNSいじめの相談が増えました。すでにネットでつながっている場合は、会わずともネットを中心にいじめが起こることがあるのです。

大人から見えにくいSNSいじめにどう対応していくべきか

教員も保護者も「SNSいじめは見えにくい」と言います。確かにクローズドな場所で起こるので、すべてを知ることはできません。一つひとつの発言を見ることができないからこそ、子どもたち一人ひとりのモラルが大事になってきます。

まず、保護者が考えるべきは「わが子を加害者にしないこと」です。加害者がいなければ、SNSいじめの被害者は生まれないのですから、わが子をSNSいじめの加害者にしないことが、結果的にSNSいじめからわが子を守る手段にもなるのです。

子どもたちにネットリテラシー(インターネットを適正・適切に使う知識や能力)がない!と思う大人も多いのですが、中学生・高校生の中には、今までの失敗を生かして「それは言いすぎだよ」「これは言ったら駄目だよね」と自制する子や、「チャットはトラブルが多いので必要最低限の使い方をしてる」など、うまく付き合うことに慣れている子どもたちも出てきています。

使い始めが大事なので、とくに小学生は学校で端末が配布されたら、その時点で親子でしっかりインターネットの使い方やSNSについて話し合うことが必要ですし、「学校でどうやって使ってるの?」と一度わが子がどう使っているかを聞いてみてください。親の想像以上に端末を使いこなしている可能性も高いです。

そして、折に触れてネットやSNSの話題を投げかけてみること。LINEを使うようになったら、親子でLINEのやり取りをしてみれば、子どもがどう使いこなしているか、その子の癖もわかってきます。

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