経団連は2022年の春季労使交渉(春闘)に向けた経営側の指針で、一律の賃上げを見送ると日本経済新聞が1日付朝刊で報じた。岸田文雄首相が求める3%の賃上げは好業績企業を中心に対応するよう求めるといい、「成長と分配の好循環」へ向けた道のりは険しそうだ。
日経新聞によると、春闘で経営側の指針となる経営労働政策特別委員会報告の原案では、新型コロナウイルス禍の長期化で業種・企業間の業績のばらつきが大きくなっていると指摘。自社の状況を踏まえて労使協議で賃金を決める「賃金決定の大原則」の重要性が2021年より高まっているとしており、収益が十分に回復していない企業は事業継続と雇用維持を最優先とする。
岸田首相は、成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」を掲げ、労働者の賃金上昇を分配戦略の柱に据えている。26日には、春闘で「業績やコロナ前の水準を回復した企業について、新しい資本主義の起動にふさわしい3%を超える賃上げを期待する」と述べていた。
連合の集計によると、21年春闘の平均賃上げ率は1.78%で前年の1.90%を下回った。
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著者:延広絵美
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