物価目標2%を達成することが最終目的ではない 一問一答・中川順子日銀審議委員インタビュー

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-資源価格の上昇と円安の進行

「一般論として、以前の日本は輸出中心の産業構造だったが、当時に比べれば企業は海外進出し、海外生産・販売も増えており、影響は複雑化している。海外展開し、大きなオペレーションを持っている企業は円安が企業収益を押し上げる効果が大きい。一方、円安は輸入物価が上がる方向に影響するので内需型の企業などには厳しい。プラスもマイナスもあるので、どの水準がいいとか、円安・円高のどちらがいいという単純なものではない。ただ、短期的な大きな変動についていくのは難しいので、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが最も望ましい」

-コロナ対応プログラムの延長の是非

「来年4月以降の特別プログラムについては、現時点で方針は決まっておらず、特にコメントできることはない。貸し出し動向を見る限り、大企業を中心に流動性の需要はすでに満たされ、借り入れの返済が進んでいるが、企業規模によって、あるいは内需型や対面型のセクターでは厳しいところが残っており、バラツキが出ている。感染の波が再び来ないか心配しながら、徐々に経済を動かしている状況の中で、経済活動に、特別プログラムの扱いを変化させても耐え得るだけの底堅さがあるかが判断の1番のポイントになる」

-地域金融機関を対象とした特別付利制度の見直し

「コロナ特別オペの実施期間が2回延長されたこともあり、オペ利用額の急増に伴って当座預金残高が拡大したことが影響している。コロナ特別オペはそもそも感染症の影響を受けた企業等をサポートするための制度であり、各地域金融機関を含めて目的に合った形で活用されていると思う。有効活用していただいていることに鑑みれば、コロナ特別オペ自体の存在と2回の延長には合理性があった。そこに関して金融機関行動の過熱ということにはない。状況の変化によって柔軟に変えるべきものは変えればいいし、今回の見直しは合理的だと思う」

インタビューに臨む中川審議委員(24日・日銀本館)Source: Bloomberg
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