ryuchell「子どもの失敗は大歓迎」と語る深い理由 「自己肯定感」「SNSいじめ」「失敗力」大いに語る
それでも切り離せずに悩んだのは、SNSといじめの問題だ。ryuchellさんも、SNSでのいじめとは決して無関係ではなかった。
「高1の時にはすでにLINEがあったので、LINEグループでのやり取りも生まれていました。その中で、ブロックされたり、SNS上で嫌なことを言われたりもありました。でも僕は、割と気が強かったので、言い返せる子だったんです。大人になれば気づくけど、SNSでしか悪口を言えない人って、結局面と向かって言えない、人間関係をつくるのがすごく下手な人なんですよね。そんなダサい人には言い返してやればいいし、無視したらいいと今も思うし、当時もまわりの子にもアドバイスしてしまっていたけど……、でも、できない人もいますよね。その時は……うん、すごくきついよね……」
SNSといじめはどうしても切り離せないものなのかもしれない、と話すryuchellさん。いくらいじめがニュースになっても、いまだになくなっていないように、どうしても起こってしまうものなのかもしれない、と。
「だからこそ、SNSがつらくなったら、好きなものに逃げて距離を取ってほしいとも思うんです。SNSは、使い方によってすごくいいものにもなるし、その逆もある。だから、つらくなったら、自分の好きな動画を見るとか、好きなものに接するなどして、SNSと距離を取ってほしい。あとは、心の中で悪態をついてもいいと思います。大人だって、SNSを見たら『なんでこんなキラキラして、お金も持ってるの?』と、つい自分と比べてつらくなるとき、ありますよね? でも、僕はそういう気持ちになってしまったときには、『どうせ、この写真を撮るのに40分くらいかかってるよね』と、心の中で思うようにしています(笑)。心の中で思うくらいなら誰にも迷惑をかけないし、そういうことを思っちゃう自分でいいと思う。『こんなこと思うなんて、駄目かな』なんて、全然思わなくていい。それが『自分を甘やかす』ということでもある。SNS時代では、そういうスキルを身に付けてるのも大事かな、と思います」
「失敗こそが、子どもの成長につながる」
SNSだけではなく、子どもによかれといろいろなことを心配したり、ついレールを敷いてあげながらも、「めげない心を持ってほしい」と思うのが親心。でもryuchellさんは一貫して、失敗こそが人を育てる、と話す。
「僕は子どもに対して、レールを敷いてあげる気はいっさいなくて。きっかけづくりとして、『こういうのもあるよ』くらいは言うかもしれませんが、『こうしなさい』も、絶対に言うつもりはありません。すべてを準備してあげることが愛ではない、と思っているからです。僕も子どものことは、とてもかわいくてしょうがないから、最初は転ばないように、失敗しないようにって心配していたんですけど、ある時冷静になって考えて、失敗したことのない人ってキモいなって思って(笑)。そう思いませんか? だから、どんどん転んでもらって、どんどん失敗して、下を見たことのある深みのある人間になってもらいたい。もし息子が受験で失敗しても、僕はラッキー!って思えると思う。人生は甘くない、勉強が足りなかったと、本人が気づける、すごくいいチャンスだから。そして、それがいちばん成長につながると思うからです。もちろん合格したら、めっちゃ嬉しいし、ウェディングケーキくらい大きなケーキを買っちゃうと思う。一方で失敗こそがこの子の成長につながるのも、また事実だと思うので、どちらに転んでも、僕はうれしいです」