アウディが虎ノ門に“オフロード”を作った ヒルズの目の前に突如現れた試乗施設

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都心でのオフロード対応を力説するアウディ・ジャパンの大喜多社長

こうした体験施設をアウディが開くのは、アジアでは初めて。同社のドイツ本社は、2012年の冬から、世界的に「クワトロキャンペーン」を展開している。今回もその一環であり、海外でもヨーロッパなど各地で体験施設を開いたり、試乗イベントを行ったりと力を入れている。

が、道路が舗装された都心で、わざわざ、4輪駆動の車に乗る必要があるのだろうか。これに対し大喜多社長は、「最近では突然の豪雨や大雪も多い。たとえば5センチメートル程度の積雪でも、クワトロを搭載していれば、通常のタイヤで問題なく走れる」と、近年の気候変化による必要性の高まりを指摘する。「水たまりの上を走るときの安全性がいかに大事か、意外と気づいていない人が多い」(大喜多社長)。

 技術を顧客に体験してもらう

8月30日から来年春までの期間限定だ

当初、どのような施設を作るか考えた際、クワトロパークのほかに、2つのアイデアがあったという。1つは、家族連れで楽しめるゴーカート場。しかし「それをやるにはスペースが狭かった」(大喜多社長)。もう1つは車をずらっと並べた試乗の基地にすることだ。ただ「あまりにも普通っぽい」(同)ということで、今回の体験コースに決まった。

アウディの国内販売は好調が続いている。2013年は28676台と、7年連続で過去最高の販売台数を記録した。今年4月の消費増税後も、1月に発売した「A3セダン」が牽引し、ドイツ車大手では唯一、前年比プラスを維持している。

 拡大が続く輸入車市場では、潜在顧客とのコミュニケーションの場として、ディーラーではなく、カフェなどを開く例が増えている。独メルセデス・ベンツや伊フィアットなどがそうだ。そうした拠点では路上試乗ができることも多い。ただ、技術の体験というところまで焦点を絞った施設は珍しい。ブランドイメージの醸成のみならず、車の工業製品としての先進性をアピールするアウディの試みは、消費者にどこまで受け止められるか。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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