産業リサーチ(旅行代理店) 再編があるとすれば、HIS絡みか

盆暮れになるとテレビに映し出される国外脱出組と帰省ラッシュ。日本人の旅行好きは変わらないが、旅行業界はデフレの直撃を受けている。海外・国内旅行とも単価下落が続き、これに米国の同時多発テロが追い討ちをかけ、最大手JTBさえ2001年度は1兆円超の売上高に対し、40億円強の経常利益しか出せなかった。
 近畿日本ツーリストと東急観光はテロ以前からの業績悪化で経営再建中。近ツリと日本旅行は経営統合による生き残りを策したが、社風の違いが構想に響き破談に。大手といえども、その経営基盤は意外と脆弱だ。
 再編があるとすれば、その核は格安航空券で成長したHISである。海外旅行では3位でも国内では20位にも入らず、国内強化は魅力だ。
 もっとも、HISに買収先の贅肉まで引き取るつもりはないから、「対象会社の破綻→ファンド等が買収→リストラ→HISに売却」というシナリオになるだろう。
 ただ、旅行業は旅行代金前金制のため、資金繰りが比較的楽なため破綻し難いのが実情。SARSにより中小零細代理店の淘汰が進む一方、大手は残存者利益を享受する可能性もある。再編には時間がかかりそうだ。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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