志願倍率10倍超えも「小学校受験」超人気の理由 小学校受験2022、最新事情や合格のポイントは
「以前ある私立で、みんな真っ黒なスーツで受験に来るので、先生方が不思議に思っていたそうです。聞いてみたところ、その学園は、黒い服でないと合格をもらえないという噂が広がっていた。翌年から黒い服での受験を禁止したという、笑い話のようなエピソードもあります」(吉岡氏)
もちろん、写真の仕上がりやスーツのデザインが合否に影響することはないが、吉岡氏は「保護者がそれで安心して試験に臨めるのなら、取り入れてもいいのでは」と、一概に否定はしない。ただし噂に踊らされて、過度な費用はかけないほうがいい。同様に、ワーキングマザーは不利というのも今の社会に即さない。祖父母の助けなどを借りて、行事に参加したり緊急時に駆けつけたりすることができれば問題ない。
小学校受験は保護者の関与が合否を左右するだけに、負担も大きい。だからこそ価値があるという。
「小学校受験が、夫婦で家庭の教育方針や子どもの将来を真剣に話し合うきっかけになります。また、あいさつをきちんとできるようにさせたり、選考に掃除や片付けを課す学校もあるため、日常生活を自分でできるようにさせたりするなど、子どものしつけをしっかりと行う家庭が多いですね」(吉岡氏)
さらに日本の文化や季節を盛り込んだ課題が出されるので、豆まきやお彼岸などの行事を取り入れたり、季節の草花を観察したりするようになるという。親子で向かう小学校受験。合否だけでなく、その過程も実りあるものにしたい。

ジャック幼児教育研究所 理事
創立50年余の伝統を持つ幼児教室、ジャック幼児教育研究所で40年間講師を務める。理事となった現在も教壇に立ち、多くの児童を名門小学校合格へと導いている。また、デジタル化に熱心な吉岡氏が指揮をとり、小学校受験のペーパー問題集アプリ「できましたっち!」を開発し、家庭学習を支援している
(撮影:今井康一)
(文:柿崎明子、注記のない写真:Fast&Slow/ PIXTA)
関連記事
公立初、小中高一貫教育「立川国際附属小」の凄さ 英語は小1から週4時間、第2外国語を学ぶ機会も
倍率13倍、新設3年「農大稲花小」が超人気な訳 つねに高倍率、都会のど真ん中の意外な学び
洗足学園小、中学受験強い私立小が人気の事情 進学実績には「筑駒、開成、桜蔭…」最難関校
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら