米SECが仮想通貨商品の募集開始前に異例の警告 犠牲者を出す前に金融「無法地帯」に介入
米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は、金融のワイルドウエスト(西部開拓時代の無法地帯)と自身が呼ぶ暗号資産(仮想通貨)市場を規制するため、SECがどこまでやるつもりか業界にはっきり通告した。
米暗号資産交換業者コインベース・グローバルは、暗号資産で利息が得られる金融商品の募集を開始した場合、民事提訴ないし行政処分の可能性があると事前に警告する「ウェルズノーティス」をSECから受け取った。
同社を含むコンソーシアムが提供を予定する金融商品「レンド」は、法定通貨の価値に連動するステーブルコイン、USDコイン(USDC)の貸し出しにより年4%の利回りを得ることも可能だと投資家に説明していた。
SEC、コインベースに提訴や行政処分の可能性警告-暗号資産商品で
類似する金融商品を既に提供するか検討している他の企業にもSECは警告を行った。SECがゲンスラー委員長の下で、望ましくないと考える金融商品を阻止するため、募集開始前でも積極的に権限を行使する構えであることが、これまでになくはっきりした。
SECの姿勢に元当局者らも非公式に驚きを隠さない。元当局者らによれば、SECは投資商品の販売開始まで制裁の可能性を巡る発表を待つのが普通であり、消費者を危険にさらす恐れのある最先端の暗号資産商品阻止に向け、強制力行使に行き着いたとうかがえる。
コインベースのブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)はSECが「実に不可解な行動」を取ったとツイートで批判。8日の米株市場では、ウェルズノーティスを受け取ったと伝えられたことで同社の株価が下落し、3.2%安の258.20ドルで取引を終えた。
コインベース、SECの「不可解な行動」を批判-提訴の警告受け
デューク大学ロースクールのジェ-ムズ・コックス教授は「SECが積極的になるのは久しぶりだ。暗号資産に大いに力を注いでいる。大規模な急成長する市場で不正の温床にもなる」と指摘した。
SECの担当者は、コメントを控えている。
原題:Coinbase Threat Signals Gensler Is Getting Tough on Crypto (3)
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著者:Benjamin Bain、Matt Robinson
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