大人も子どももハマる「科学実験」動画の教育効果 アイデア満載、人気YouTuber市岡元気の正体

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「アイデアの宝庫ですし、撮影・編集の参考になります。撮影の基本は照明を明るく、クリアに音声が拾えるようマイクは口元に近いところに。編集は何もしゃべっていないところを自動的にカットしたり、自動的にテロップを付けてくれたりする無料ソフトがあるので導入してみるとか。無難な授業動画で構わないなら、YouTubeの動画はかなり自動的に作れる時代がきています」

今年7月、市岡氏はYouTube Japanにて、YouTuber向けに講義を行う先生と共に小学校の教員向けにYouTubeの動画作成講座を開催した。十数人という少人数ではあったが好評だったため、今後も継続して開催する予定という。「僕には教育クリエーターといわれる方々と一緒に教育系YouTubeを盛り上げていきたいという目標がある」と話す市岡氏は、教育系YouTuberを育成するコンテンツの作成やイベントの開催に意欲的で、年内には教育クリエーターのためのYouTube教室を開く計画も進めている。コロナ禍で中止になってしまったが、今春には同業の教育系YouTuberたちと大きなイベントも予定していたという。

「葉一さんやヨビノリたくみさん、シオリーヌさん、それに漫画『Dr. STONE(ドクターストーン)』の監修者であるくられ先生など、みんな独自のノウハウを持っています。それをオープンにすることで僕たちの後に続く仲間が次々と登場して、教育系YouTubeのコンテンツが質、量ともに充実していけばいいなと思っています」

今「子どもがYouTubeばかり見て困っている」と嘆く保護者は多い。学校現場でも「児童が休み時間にこっそり動画を見ている」といったトラブルが増えている。だが、子どもが見ているYouTubeが勉強のためになって、教育としても歓迎できるものならどうだろう。誰でも好きなことならやる気が出るもの。そのスイッチをYouTube動画が押してくれたら……市岡氏をはじめとする教育系YouTuberたちの活躍が、これからの学校教育にも大きな影響を及ぼしていきそうだ。

市岡元気(いちおか・げんき)
サイエンスアーティスト
東京学芸大学初等教育教員養成課程理科選修を卒業。幼稚園教員免許、小学校教員免許、中高理科教員免許所持。2019年YouTubeチャンネル「GENKI LABO」を本格始動。21年8月現在、登録者数約37.5万人。同年、株式会社GENKI LABO設立と同時にCEOに就任。数々のサイエンスライブ、実験教室を全国各地で開催。最近ではオンラインを活用した実験教室も人気。バラエティー番組などで、罰ゲームやドッキリ企画の実験・監修をするほか、YouTubeでは「QuizKnock」「水溜りボンド」「スカイピース」「すしらーめん りく」などに実験協力もしている

(文:田中弘美、撮影:梅谷秀司)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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