老いを「楽しめる賢人」「楽しめない凡人」の差 加齢は果たして「マイナスなこと」なのか?
歳を重ねるなかで、ふと感じることに「老い」というものがあると思います。いつ、どこで、何に「老い」を感じるかは、人によって個人差があると思います。
「もの忘れが多くなった」「手が乾燥して物を思うように扱えなくなった」「食が細くなった」「何をするにも時間がかかるようになった」「やる気がなかなかおこらない」など、身体的・精神的に感じる「老い」には、さまざまあると思います。
「老い」を感じたときは、悲しみ、虚しさ、喪失感、ときには嫌悪感といったようなものが混ざった、何とも表現しがたい気持ちになるのではないでしょうか。
「老い」というものを抵抗なく、すんなりと受け入れることができれば何ら問題はないのですが、なかなか素直に受け入れられないのが本当のところでしょう。
そんなときに気持ちを楽にするのに役立つ考え方を、今回は紹介致します。
「老い」はマイナスなことではない
一般的には、「老い」をマイナスなこととして受け止める方が多いと思います。しかし、「老い」はマイナスという発想を逆転させ、プラスに捉え直してみましょう。
そのためには、そもそも「老い」とは何なのかを、いま一度考え直す必要があります。「老い」を辞典等で調べてみると、大きくわけて二つの意味があります。
一つは、身体的に老化することです。
そして、もう一つが家庭、地域、職場などでの社会的変化・退行を伴う現象です。
注目すべきことは、二つ目の意味です。これが「老い」に対する発想の変化に繋がる鍵となります。
どういうことかというと、さまざまな場の社会的変化・退行を「縁熟(えんじゅく)」と理解するのです。
この場合、「えんじゅく」と聞くと、一般的には「円熟」という漢字が当てはめられると思います。「円熟」は、人格・知識・技術などが円満に発達し、豊かな内容をもっていることを意味します。「老い」をプラスに捉える解釈としては、的確な表現だと思います。
しかし、実際の生活においてはそう素直に受け止められない場合が多いのが本音ではないでしょうか。