【産業天気図・百貨店】リストラ効果発現も、投資負担重く利益低水準。終始「曇り」へ
三越伊勢丹ホールディングスは、9月の三越銀座店の増床オープンに向けた先行費用、カード事業の統合費用がかさみ、上期は営業赤字が拡大(通期では営業増益に転換)。関西の雄、H2Oリテイリング<8242>も旗艦店である阪急うめだ本店の建て替え工事の影響から営業減益が続く想定。J.フロントリテイリング<3086>も大阪の梅田店改装の影響から、小幅営業増益どまりの計画だ。
三越銀座店は増床オープン後1年間で売り上げ700億円を目標としている(09年度実績は411億円)。三越と伊勢丹にとって統合後初の大型プロジェクトだけに注目を集めるのは必至で、失敗は許されない。はたして狙いどおりの集客、売り上げを達成できるのかが10年度の注目点だ。
11年春以降には大阪駅前の百貨店戦争が本格化する。市場規模拡大が見込めないなかで競争が熾烈化するだけに、店舗での提案力や商品力、ローコスト運営などで強い競争力を持たない限り、業績向上を図ることは難しくなっている。最悪期は脱したとはいえ、各社ともコストダウンの手をゆるめることはできないだろう。
(高橋 志津子=東洋経済オンライン)
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