会社員を続け「米ビルボード1位」叶えた男の信念 トリル・ダイナスティ「原動力は地元活性化」

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でも、当時はビジョンもなかったし、なぜその教育を受けなければいけないのかもわからなかった。今も早期から明確なビジョンを持っている子は少ないだろうし、大人になって後悔するのもそれはそれでいいと思います。重要なのはパッションです。

――教員に期待することはありますか。

先生は今、このストレス社会の象徴みたいな職業になっていますよね。僕には絶対できない。さまざまな業務に1人で対応してメンタルを削って仕事をしている先生には、リスペクトしかありません。

僕は授業をさぼるタイプでしたが、今となっては無理やりにでも教室に引っ張っていって授業を受けさせてほしかったですね。そういう魂を注いでくれる先生が今も必要だと思います。それをやろうとすると問題化することも多い社会なので難しいとは思いますが、どんな仕事も結局は人と人。魂と魂がぶつからないと何の解決にもならないのではないでしょうか。

――今後の夢についてお聞かせください。

最先端の音楽や文化を取り入れたアウトプットをしたいので、海外と日本の活動割合は8:2くらいを考えています。成功を重ね、1~2年の間に地元の仲間も有名にしていくことが目標。それができたら、地元への還元です。音楽を使って茨城県に足を運ぶ人を増やしていきたいですね。

何の教養もないギャングが成り上がり、地元の恵まれない子どもたちに貢献するという一連の流れがヒップホップ。そこに僕自身の生い立ちや人生を重ねひかれましたし、その精神性を体現していきたいと思っています。

――読者にメッセージをお願いします。

今の社会では夢を持てない人も多いかもしれませんが、何でもいいから夢を持つことは大事です。夢をかなえるためにお勧めなのは、小さい目標を立て続けること。僕の人生は負けっ放しでしたが、目標をモットーにここまできました。僕は100回目までは達成できる目標、それ以降は背伸びしないとできない目標を設定した。米ビルボード1位は3800回目くらいの目標でしたね。教育に役立つかはわかりませんが、小さな目標を達成して「勝ちグセ」をつけていくと自信が生まれ、意外と夢はかなうものです。

TRILL DYNASTY(トリル・ダイナスティ)
1992年生まれ。茨城県北茨城市出身。2015年から本格的な音楽活動を開始し、海外アーティストに楽曲提供を行っている。シカゴ出身のアーティスト、リル・ダークがリリースした『The Voice』の楽曲制作に携わり、21年には米国の音楽チャート「ビルボード」の「R&B/HIPHOP」部門にて1位を獲得。ピアノの音色が特徴的なビートを得意とし、国内の音楽シーンでも活躍中

(文:編集チーム 佐藤ちひろ、写真はすべてトリル・ダイナスティ氏提供)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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