グローバル金融新秩序 淵田康之著
欧米で新たな金融規制改革に向けた動きが活発化している。6月のG20金融サミットでいよいよそれも大詰めを迎える。
世界金融危機の原因はどこにあったのか、再発のリスクをいかに削減するか、危機が起きた場合にどう対処すべきなのか、そのための国際的な仕組みづくりをどうするか。世界中に災禍をもたらしたために、その中には、ともすれば本来の目的から逸脱しがちな議論もある。
本書は、その多岐にわたる課題を、問題の所在、欧米での改革の方向性、その問題点、日本へのインプリケーションという構成で、わかりやすく整理する。概念から具体的な実務にかかわる問題まで解説し、それぞれの論点をきっちり網羅している。
最近のボルカー・ルールや、金融機関への特別課税の議論も、本書を読むと背景が理解しやすい。金融システムに関心を持つ人にとって、問題を冷静に考えるうえで大いに助けになる。
日本経済新聞出版社 2940円
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