立教大「国内初AI特化大学院」、文系半数の意外 従来技術と違い誰もが2年間でモノにできる
「ただ、オンラインだけでは抜け落ちる部分もあることがよくわかりました。やはり自然発生的な雑談こそが、新たな発見や価値を生むんですよね。せっかく多様なバックグラウンドを持った学生たちが集まっているので、お互いに顔を突き合わせて議論する機会をより大事にしていきたいです」
そんな厳しい状況ではあったが、内山氏は想定以上の手応えを感じているという。
「本研究科の多様性はやはり大きな特色になっています。年齢も20代、30代、40代以上の方々がちょうど3分の1ずつと幅広い。上の世代では会社で決定権を持っているような各業界の第一線で活躍している人が多く、中には某有名シンクタンクの研究員やテレビ局のディレクターなども。その経験と熱意が若年層のパワーとうまく化学反応を起こしており、互いに好影響を与えています。
人生100年時代、40代以上は学び直さないと価値創造に参加できませんし、若い人だけでも価値は生まれにくい。これからは年代を問わず学び続けるスタイルの大学院が日本で大事になるでしょう。そんな新たな大学院の事例になるといいなと思っています」
とくに社会人学生は、キャリアや人脈があるため、ビジネスの現場からデータ提供してもらうなどの企業との交渉が非常にスムーズだという。そのため、「学生と教員という上下関係ではなく、互いにフラットにコラボレーションしながら最先端の研究が行えるメリットも感じています」と内山氏は語る。
1期生と同様、今春入学の2期生の募集も倍率は2倍ほどあったという。22年度からは博士課程もスタートする予定で、将来的には学部の段階まで学科を広げることも検討中だ。今後の展望について、内山氏はこう語る。
「まずは産官学のプロジェクトを活性化させ、価値創造の成果事例をどんどん生み出していきたい。そして社会課題の解決に貢献するため、本研究科の卒業生が連携し合える仕組みもプロデュースしたいですね。さらに、学部生や高校生にAI研究への道筋を示し、若い人たちの関心を高めていくことも考えているところです」
(写真はすべて内山泰伸氏提供)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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