米国債利回り急上昇で各金融市場が大混乱

株・債券・為替市場で保有資産の見直し加速

世界最大の債券市場でここ数週間聞かれた不穏な音は25日、大きく明瞭に鳴り響いた。経済成長とインフレは上向きだというこのメッセージは、幅広いリスク資産に大混乱をもたらした。

相場水準の見直しプロセスが始まった

米10年国債利回りは1.6%台に急上昇し、1年余りで最高の水準に到達。米連邦準備制度が金融引き締めを迫られる時期を巡り、前倒しの議論がトレーダーの間に浮上した。株式相場は大幅下落。金利上昇が高騰するバリュエーションに下押し圧力となった。国債入札の応札需要は過去最低で、イエレン財務長官にさえ痛みを与えた。

26日のアジア市場ではオーストラリアや日本の国債利回りが上昇。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は利回り抑制措置として、30億豪ドル(約2500億円)相当の3年債購入を発表した。3年債利回りは目標の0.1%を突破していた。日本国債も10年物利回りが5年ぶり高水準に達した。

米国の1年にわたる緊急経済対策は奏功しているだけにとどまらず、経済の一部でいつか過熱を招く恐れがあるとの臆測が広がりつつある。新型コロナウイルス危機で何カ月も同じパターンで膠着(こうちゃく)状態にあった市場ではようやく、相場水準の見直しプロセスが始まったようだ。連邦政府による数兆ドル規模の財政出動に加え、ワクチンの良好な結果を受け、先進国経済が中央銀行の予想よりも早期に回復する可能性が高まっている。

アムンディ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジョン・キャリー氏は「経済はすでに回復しつつあり、提案された経済対策は必要とされる規模よりはるかに大きいと考える人が多い」と指摘。「炉火にあまりにも多くの炭を置き、火力が非常に強くなる。米金融当局が現行水準に金利を維持できなくなると考えられ始める」と付け加えた。

次ページ金利が上がれば現在の株高の正当化が困難に
マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • グローバルアイ
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT