なにがケインズを復活させたのか? ポスト市場原理主義の経済学 ロバート・スキデルスキー著/山岡洋一訳~「売り」は「処方箋」ではなくケインズの倫理学、政治学

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 著者は、いまではポリティカル・エコノミーの教授になっているが、先ほど触れたように、もともと歴史家であり、現在の経済学部の教育が隣接領域の動向を無視した、あまりに狭いカリキュラムになっていることに不満を漏らしている。

数学を減らして、歴史、思想史、社会哲学、社会学、政治学などをもっと教えるべきだという主張は、知識の幅の広い教養人にはもっとものように思えるだろうが、現時点でカリキュラムが変更される可能性は少ないと言わざるを得ない。

逆に言えば、それだからこそ、著者の本が読まれる価値があると言えるのではなかろうか。

Robert Skidelsky
英ウォリック大学政治経済学名誉教授。ケインズ研究の第一人者であり、数々の学術賞を受賞した伝記を3冊執筆。1991年に一代貴族に、94年に英国学士院会員に選出された。米国の大手資産運用会社、ロシアの大手通信会社の非常勤取締役も務める。

日本経済新聞出版社 2100円 312ページ

  

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