岡島悦子・プロノバ社長--おカネを超えた高次なエゴを持っている《私のアラサー論》
真のグローバルリーダーがこの世代から生まれるかも
この世代は転職する人も多いが、6割の人へのメッセージは「まず社内でベストを尽くしなさい」。なぜなら、この世代はどの会社でも人数が少ないので、ライバルも少ない。どの経営者と話をしても、「30代前半が手薄」と言われるので、その中で競争に勝つのはそれほど難しくない。
まず大事なのは、小さくてもいいから、社内でわかりやすい実績を作ること。そうすれば、社内でやりたいことがやりやすくなる。自分の頭で考えられる自律型人材になれば、上の世代を追い抜くことも可能だ。
だから、上司はこの世代が成功体験を得られるように、チャンスを与えてあげるべき。うまくいっている会社は、この世代をうまくやる気にさせて戦力化できている。
この世代に対する私の期待は非常に大きい。おカネに呪縛されず、「世の中をよくしたい」という次元の高いエゴ(アルターエゴ)を持つリーダーがこの世代から初めて出てくるのではないかと思う。グローバルで堂々と活躍できる初めての世代かもしれないですね。
おかじま・えつこ
ヘッドハンター。三菱商事、マッキンゼー、グロービス・マネジメント・バンク代表を経て、2007年に「経営のプロ」創出のシンクタンクであるプロノバ設立。ハーバード大学MBA。
(撮影:梅谷秀司)