コロナ詐欺「被害に遭う人」「遭わない人」の大差 「マスク投資」「10万円給付」などには要注意

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大手ドラッグストアのカスタマーセンター名義で「マスクを無料で送付します」という詐欺メールが送られてきたという例など、「マスクが入手できる」メリットを打ち出した詐欺も行われているので、注意してほしい。

多くの人が在宅となり、スマホを見る機会が増えているはずだ。前述の40代主婦も、新型コロナウイルス関連の速報が多い夕方などに必ずスマホをチェックするようになったという。「速報かなと思って見たらそんなメールだった。隣に店を休業して在宅していた夫がいなければ危なかったかも」と語る。

新型コロナウイルス詐欺のパターン

最後に新型コロナウイルス詐欺のパターンについてまとめておこう。

10万円給付や新型コロナ全国調査、アベノマスクなど流行に便乗した詐欺は多い。「話題になっているから」「お得な話だから」と、ついつい先走ってしまいがちだが悪質な詐欺に騙されないように。また、なかなか入手できないマスクや、収入減少など、多くの人の不安につけ込む詐欺も多い。

流行に便乗する、不安につけ込むのは詐欺を行う人間の常套手段。「新型コロナウイルス」について書かれた見知らぬ相手からのメールやメッセージ、電話や訪問は、詐欺じゃないか疑ったほうがいいだろう。

特にお金や個人情報がからむ場合は一人で判断せず、家族や警察、消費者ホットライン「188」などに相談することが大切だ。

高齢者は電話で騙されることも多いので、「留守番電話機能を使い、ナンバーディスプレイで番号を表示させて知らない電話には出ないこと、新型コロナウイルス関連の話だったら必ず家族に連絡をすること」をしっかり伝えておくといい。

国民生活センターや警察庁、消費者庁、厚生労働省、総務省などでは、新型コロナウイルス関連の詐欺情報を随時告知している。特に国民生活センターでは、執筆現在第6弾まで速報を発表しており、詐欺に関する最新情報を得ることができる。気になることがあった場合は、まずこちらで情報を確認するようにしてほしい。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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