読書は最高の自己投資と言えるこれだけの理由 1500円の本から100倍のリターンを得る方法

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章のはじめや終わりに、内容がまとめとして箇条書きになっていることがあります。そこだけを先に読むのも1つの方法ですし、本文の中でポイントとなる太字に注目して読むのも理解を助けます。

多読しようとすれば、当然、ハズレをつかむ確率も高くなります。「どうもこの本はハズレだ」と思ったら、すぐに読むのを中止してください。雪山登山と同じで「引き返す勇気」が必要です。私はすぐ次の本が読めるように、未読の本を30冊くらい用意しています。

「本はどんどん読んで、ダメな本はどんどん捨てるものだ」と頭を切り換えてください。レバレッジ・リーディングは投資活動なので、このような判断が必要なのです。 

読み始めたら、重要なポイントに線を引き、印をつけ、ページの角を折ってください。角を折らずに付箋を貼ってもいいのですが、私は折ることにしています。本当に役立つところは二重に折るので、すぐに「ここだ!」とわかります。どこに線を引くか、決まりはありません。人によってまったく違うからです。

絶対に欠かせない読書後のフォロー

線を引きながら読んでいると、いろいろなことを思いつきます。「あとでまとめてメモしよう」としても、絶対無理です。ひらめいたアイデアや自分の考えは、余白や白紙のページにどんどん書き込むべきです。「自分だったらどうするか」をシミュレーションしながら読んでいくと、アイデアがどんどん出てきます。自由に書き込んでいくのがコツです。

このように、レバレッジ・リーディングで本を読むようになると、充実感を覚えるようになるでしょう。しかし、ここに落とし穴があります。

本を読んだことで早くも満足してしまうのです。せっかく投資した時間とコストを回収するには、「読書後のフォロー」を行うことが絶対に必要です。良書との出合いが特別な体験で終わらないようするには、現実のビジネスで生かせるようにシステム化するのです。

私は、線を引いた部分をパソコンに打ち込んでメモを作ります。このメモは、さまざまな本の中で自分にとって需要なポイントを集めた、いわば「究極の本」のようなもの。つねに持ち歩き、隙間時間に眺めることで、頭の中に焼き付けていきます。そして実践していく。この作業がなければ、1500円が100倍の15万円になることはありません。

究極の本を私は「レバレッジメモ」と名づけています。パソコンに入力してA4サイズのコピー用紙にプリントアウトするだけ。紙がボロボロになったら、またプリントアウトする。その繰り返しです。メモがたまってきたらテーマ別に編集します。あまり厳密に分類しなくていいでしょう。今はスマートフォンなどでメモを作ってもいいかもしれません。

こうした積み重ねを、「パーソナルキャピタル(自分資産)」を増やす行為と思っています。メモという情報の「含み資産」を顕在化するのです。たくさんの本を読んで、重要なところだけを何度も読み返す。それだけで他人の経験や知恵を自分のものにできるのですから、こんなに格安な自己投資はありません。

本田 直之 レバレッジコンサルティング代表取締役社長

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ほんだ なおゆき / Naoyuki Honda

シティバンクなどの外資系企業を経てバックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQ上場に導く。日米のベンチャー企業への投資事業を行いながら、レバレッジ・マネジメントのアドバイスを行う。ハワイ、東京に拠点を構え、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送っている。レバレッジシリーズをはじめとする著書は、累計300万部を突破。食やサウナのイベントプロデュースも手掛ける。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。フィンランド政府観光局認定サウナアンバサダー。明治大学・上智大学非常勤講師。

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