市場に企業の命運を委ね始めた中国政府 中国の債券市場で、初の債務不履行
[上海 7日 ロイター] - 中国の太陽光関連メーカー、上海超日太陽能科技<002506.SZ>が7日に予定していた社債利払いが不履行となり、中国の債券市場で初のデフォルト(債務不履行)案件となった。
この日は2012年に発行された総額10億元の社債に対し、8900万元(1450万ドル)の利払いが予定されていた。同社は利払いが間に合わないと警告していたため、不履行は予想されていた。
超日太陽は今週、支払うべき利払いの5%未満しか応じられないと明らかにしていた。
中国では過去数年間にデフォルトの危機に直面した企業がいくつかあったが、地方当局が土壇場で救済してきた。
アナリストによると、市場はこれまで高利回り債でさえも政府の暗黙の保証が付いていることを前提にしてきたが、史上初のデフォルトで信用リスクの再評価を迫られることになりそうだ。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)(香港)の社債格付け部門のマネージング・ディレクター、クリストファー・リー氏は、このデフォルトによって、信用力の弱い企業の命運を市場に判断させるという政府方針が示されたと指摘する。
「デフォルト案件は徐々に増加する公算が大きいが、コントロールされるだろう」と述べた。また、デフォルトの可能性が高い業種として、非鉄金属や鉱業、造船、素材を挙げた。
超日太陽からこの日、コメントは得られていない。全額利払いができないとの警告が今週出されてから、深セン証券取引所を通じた追加的発表は行われていない。
7日の金融市場では、大きな反応は見られなかった。
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの上級クレジット・オフィサー、イバン・チュン氏は、「デフォルトを受け、投資家らは、国内の債券に関するリスクとリターンのバランスを再考する可能性が高い」と指摘。
「価格決定において信用リスクはより重要な役割を果たすことになり、債券市場はより効率的に資金運用できる場となるだろう」とした。
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