100年予測 ジョージ・フリードマン著/櫻井祐子訳
「アメリカの時代」は21世紀に花開く--。地政学の手法を駆使して、21世紀100年を見通した世界の覇権勢力図が描かれる。
「アメリカとイスラムとの戦争は近く終局を迎える」「ロシアはアメリカと第2の冷戦を引き起こす」「アメリカへの次の挑戦者は中国ではない。中国は本質的に不安定」「今後、傑出する国は日本、トルコ、ポーランド」「新たな世界大戦が引き起こされる。その勝敗を左右するのはエネルギー技術、宇宙開発」、そして「今世紀の終わりには、メキシコが台頭し、アメリカと覇権を争う」。
著者自身、「未来について唯一確信をもって言えるのは、常識が通用しなくなるということだけ」と言う。アメリカの情報機関ストラトフォーのCEOを務める政治アナリストによる予測だけに、バイアスには注意が必要だが、その描く20年ごとの覇権勢力図は示唆に富む。悲観論の横行する日本の未来についての「強気の見方」が何より斬新だ。
早川書房 1890円
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