ストレス下における邦銀の信用損失額の推計方法 《ムーディーズの業界分析》
ストレステストを実施するに当たっては、シナリオを2つ作成した。1つ目はベースケース(=ムーディーズが格付けの前提とするシナリオ)であり、実際に起こりうるであろう想定よりも、保守的なものとなっている。2つ目は、ストレスケース(実現の可能性はかなり低いと思われるシナリオ)である。一般に、ベースケースに基づく「資本の充実度」にかかるスコアがムーディーズの銀行財務格付けを決定するに当たって考慮される主な要因となる。
それぞれの業種/項目について、具体的な損失額を推計し、その後、推定された損失額をモデルに織り込み、最終的な資本比率を導出する。
貸し出しポートフォリオからの与信費用の発生度合い、ならびに多額の政策保有株式からの損失の発生度合いが、特に景気の下降局面において、多くの邦銀の業績、ひいては格付け水準を決定付ける重要な要因である。一般に株価は景気動向と相関があるため、景気の下降局面における株式含み損の発生は、同時期に発生する与信費用の増大と相まって、銀行経営にプロシクリカルな影響を与えることになる。
なお、詳細は09年9月に発表された「ストレス下における邦銀の信用損失額の推計方法」と題するレポートをご参照いただきたい。
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