金融大狂乱 リーマン・ブラザーズはなぜ暴走したのか R・マクドナルド他著/峯村利哉訳
創業158年の投資銀行の破綻を契機とするリーマンショックから1年。他の大手投資銀行が救済される中で、なぜリーマン・ブラザーズは「あっさりと臨終を迎えた」のか。いまでも謎を抱えている。
元ゴールドマン・サックスCEOで、当時の財務長官、ポールソンの本心が、君臨するファルド会長と反目を深めることになる晩餐会を経て、「窮状はみずからの傲慢さが招いた事態であり、自業自得のリーマンは金融界から退場すべき」になったからだと、元中堅幹部の著者は決め付ける。
不動産関連の強化をテコに業界トップグループ入りを狙い、銀証分離の撤廃を好機に、レバレッジを向こう見ずに利かせ、奈落に突き進む。第一線と経営層の“複眼”でエピソード豊富にその狂乱ぶりを追う。
著者は、「過去16四半期分のボーナスの半額は数年売れない契約のリーマン株」ながら、破綻の半年前に独立。類書が相次ぐ中で、真相に迫る一冊。
徳間書店 1890円
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