トヨタ最高益更新、その先は? 今期は自動車メーカーで初の1000万台超え
トヨタ自動車はリーマンショック前の最高益更新が確実になった。
2月4日、2014年3月期の連結営業利益が前期比81.7%増の2兆4000億円になる見通しを発表した。リーマンショック前に記録した最高益2兆2703億円を6年ぶりに更新する。
トヨタは昨年5月時点では営業利益予想を1兆8000億円としていたが、8月に1兆9400億円、11月には2兆2000億円へと引き上げており、今期の業績予想の上方修正は今回で3度目となる。
前期から1兆0700億円余りもの営業増益となる最大の要因は円安だ。前期実績の為替レートは1ドル=83円、1ユーロ=107円だったが、今期の想定レートは1ドル=100円、1ユーロ=134円。トヨタでは現在、対ドルで1円円安になると400億円、対ユーロでは1円の円安で40億円の増益要因となる。そのほかの通貨も合わせると為替による増益だけで8800億円となる。
度重なる上方修正の理由も為替で、前提となる為替レートは昨年5月時点の1ドル=90円、1ユーロ=120円から、昨年8月にはそれぞれ92円、122円に、昨年11月にはそれぞれ97円、130円へと変更。今回はさらに実勢に近づけた。
ただ、トヨタの業績好調は円安だけに依存したものではない。他の要因を見ると今期の増益のうち、販売台数の増加によるものが1350億円、トヨタのお家芸である原価改善によるものが2400億円としている。持分法(主に中国)を含むグローバルの販売台数は前期の969万台から1010万台へと自動車メーカーで初の1000万台の大台突破となる見込みだ。
一方で、経費が1758億円増えている。ただし、このうち研究開発費と減価償却費の増加だけで1453億円を占める。新興国などの人件費の増加や台数増に伴う販売費の増加を考えれば、最高益を射程に収めても経費面での緩みが生じていないことがわかる。
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