吉本「専属エージェント契約」導入に抱く違和感 加藤浩次も「吉本以外の会社」との契約を示唆
吉本興業をめぐる一連の騒動がようやく終わりつつある。芸人たちが反社会的勢力の闇営業に参加したことから始まったこの騒動は、芸人側と経営者側それぞれの記者会見をきっかけに、吉本興業という事務所のあり方の問題にまで発展してしまった。
これを受けて、吉本興業では経営アドバイザリー委員会が設置され、8月8日に初会合が行われた。そこでは「所属する全芸人と『共同確認書』という書面の契約を結ぶ」「従来のマネジメント契約に加えて新たに『専属エージェント契約』を導入して、芸人が2つの契約形態から選べるようにする」ということが発表された。
タレントと契約書すら交わしていないというずさんな実態が明らかになり、世間の批判が大きかったため、この点について改革が行われることになった。
「専属エージェント契約」とは何か
専属エージェント契約とは、従来の専属マネジメント契約と違って、タレントが自らマネジメントを行い、取引先を自由に選べるものなのだという。8月9日放送の「スッキリ!」(日本テレビ系)でも加藤浩次はそのように説明していた。
少し前の加藤は、吉本興業の岡本昭彦社長の記者会見が行われた後、その内容に疑問を投げかけ、同番組内で「経営陣が変わらないなら吉本を辞める」と宣言していた。だが、この日の番組では、加藤自身が提案した「専属エージェント契約」の制度が新たに取り入れられたため、この新しい契約形態で事務所との関係を続ける意志を表明していた。
その説明を受けて、各ニュースサイトやスポーツ紙などでも「加藤は退社する意志を翻して、残留を決めた」というふうに報じられていた。
だが、個人的にはそのような報道に疑問を感じていた。これは本当に「残留」と言っていいのだろうか。加藤が専属エージェント契約を選ぶのだとすれば、少なくとも今までどおりの形で吉本興業に所属しているということではなくなってしまうのではないか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら