事務総長ら国連幹部が上智大学を訪れる理由

キャンパスでも年2回「国連Weeks」を開催

代表的なものが、2017年度からスタートした「国際公務員養成セミナー」と「国際公務員養成英語コース」だ。両コースとも、春学期と秋学期、平日の夕方と土曜日を利用して行われている。「国際公務員養成セミナー」は、国際機関での人事経験者など経験豊富な講師陣が、国際機関の採用における履歴書の書き方や面接の指導を行うなど実践的な内容になっている。英語コースは、国連政務局や広報局での勤務経験を持つネイティブの講師が担当。プレゼンやライティングスキル、国連公式文書の書式などを学び、国際公務員に求められる力を英語で鍛える講座だ。

さらに、8月にはニューヨークの国連本部にて実務型国連集中研修プログラムを開講。国連の現職の人事部長や採用担当職員が求める人材について具体的に解説し、模擬面接も行う。

「これらの講座の受講を経て、すでに国際機関で働いている人もいます。また、JPO派遣制度の候補者選考試験や、YPP試験の書類選考合格者も輩出しました。スタートから2年たち、着実に成果が表れていると実感しています」(植木教授)

国連事務総長の招聘を実現

今年春からは、社会人、学生に向けて新たに「緊急人道支援講座」を開講している。これは紛争や自然災害などに対する支援に取り組むためのスキルを身に付け、キャリアに生かすための講座だ。

「第1回となる春期講座には、定員を上回る応募があり、さまざまな職業の人が切磋琢磨しています。このような反響を見ていると、国際機関を目指すにあたり、社会での経験を積んでから大学院に入るという流れが加速するのではないかと感じます。今後は、そういった人をバックアップする体制も整えていきたいです」(植木教授)

2018年のランチタイムトークでは、ユニセフカイロ事務所の吉本華氏が講師を務めた

一方、社会での経験が浅い学生たちは「国連の仕事に興味はあるけれど、何から始めたらいいのかわからない」という状態がほとんどだ。そのような学生に向けたプログラムも充実しており、学期中に開かれる「ランチタイムトーク:国連職員と話そう」というプログラムでは、昼休みを利用してランチを食べながら国連など国際機関の職員にキャリア形成や仕事の内容について聞くというユニークな企画。国連機関の職員からアットホームな雰囲気の中で直接話を聞き、質疑応答が行えるなど学生たちには貴重な機会となっている。

また、国連人口基金(UNFPA)の事務局長や世界銀行グループの人事担当副総裁をはじめ、各機関の幹部クラスがキャンパスを訪れ、キャリアの可能性や機関の活動内容について語る「国際機関セミナーシリーズ」の開催も20回以上を数える。

次ページ国連事務総長も上智大学を訪問
お問い合わせ
上智大学
関連ページ
「AI翻訳あれば英語学習不要」が的外れなワケ
「国連で働きたい」と「国際貢献がしたい」は違う
マネックス松本大「学び続けなければ勝てない」
経営層が今、大学で「教養」を学びたがる理由
人類を持続可能にする次世代を育成できるか?
国際貢献の舞台で「本当に使えるスキル」とは?
コロナ禍でも「海外とZoom」授業、上智の挑戦
上智で緒方貞子が説いた「異質な環境」の重要性
国際公務員に「確固たる動機」が必要な理由
スーダンで国外退去令、国連職員が取った行動
上智大学で学ぶ、投資家を動かす「統合報告書」
上智大学で学ぶ世界最高水準の「交渉術」とは?
日本の教育機関初、上智がタイに会社設立
上智大学が目指す「国際的な教養力」の本質
「上智×ANA×海外大」の連携講義がスゴい
上智大学が教える「国際公務員」への第一歩