ECBドラギ総裁「利上げをさらに遅らせる用意」 外需落ち込みで企業投資停滞、リスク高まる
[フランクフルト 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は27日、必要ならば利上げをさらに遅らせる用意があると述べるとともに、マイナス金利の副作用を和らげる措置を検討する方針を示した。
予想外のユーロ圏経済減速を受け、ECBは3月の理事会で、想定する利上げ時期を来年に先延ばしし、銀行向けの新たな低利流動性供給措置「TLTRO(貸出条件付き長期資金供給オペ)3」を実施することを決定した。
ドラギ総裁はフランクフルトで開かれた会議で「3月の理事会と同様、われわれは新たなインフレ見通しを反映して金利のフォワードガイダンスを調節することによって金融政策が引き続き経済に即した対応をすることを保証する」と述べた。
TLTRO3の要件についても、経済の状況に応じて調整することになると説明した。
現状の景気減速は必ずしも深刻な不況の前触れではないとしながらも、外需の落ち込みで企業の投資が停滞し、内需や雇用にも影響するリスクが高まっていると指摘した。
銀行からマイナス金利が融資に打撃になっているとの不満が出ていることを受け、マイナス金利の副作用を和らげる措置が必要か検討する方針を示したが、銀行の業績不振は、マイナス金利だけが原因ではないとも指摘した。
「必要ならばマイナス金利の副作用を緩和しつつ、それが経済にもたらす好ましい影響を維持できる措置を検討する必要がある。とはいっても、銀行の低い収益力は、マイナス金利の避けられない代償ではない」と語った。
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