【産業天気図・精密機器】天候は急速に崩れ「雨」へ。景気後退と円高が打撃

予想天気
 08年10月~09年3月   09年4月~9月

精密業界の08年度後半および09年度前半の天気はいずれも「雨」となりそうだ。円高の進行、世界的な景気後退による需要の低下により、ともに「曇り」で予想した9月から、カメラ、事務機等各業界の市場環境はまた一段厳しくなる。
 
 輸出型企業の典型である精密各企業を泣かせているのが、9月下旬からの急激な円高だ。精密大手のキヤノン<7751>は、同社の第4四半期にあたる08年10~12月期の想定為替レートを1ドル100円、1ユーロ135円と、ドルで5円、ユーロで30円、前回予想よりも円高に修正。これだけで営業利益640億円のマイナスインパクトとなる。
 
 リコー<7752>も08年10月~09年3月期の想定レートを1ドル100円、1ユーロ130円とユーロで30円円高に修正(ドルレートは変更なし)、これにより、営業利益で下期225億円の減益要因となる。しかも、直近の為替レートの推移を見る限り、修正した想定レートよりさらに円高となる可能性が濃厚だ。
 
 事業面を見ると、春頃から減速感が見られた事務機器は、9月以降新興国でも伸びが鈍化しつつある。企業の業績が落ち込み、金回りも悪くなったことで、オフィス用事務機の買い替え需要は当面低調に推移する見込みだ。
 
 景気後退の影響で事務機以上に急激な変動にさらされているのがデジタルカメラだ。急速な需要縮小で市場在庫が膨らみ、製品の値崩れが起きている。目下、コンパクト型では年率20%以上の激しい単価下落が進行中だ。手ぶれ防止、顔認識、広角対応などかつて新たな需要を喚起してきた機能はもはや標準装備となっており、先進国では08年度後半以降マイナス成長になっていく可能性が高い。新興国での伸びも鈍化するだろう。
 
 一方、08年度前半まで絶好調が続いていた一眼レフデジカメ。こちらはコンパクト型に比べれば見通しは比較的明るく、08年度後半、09年度前半ともプラス成長が見込まれる。
 
 だが、08年度前半までに、各社は拡大するエントリー層向けモデルを相次いで投入済み。コンパクトデジカメからより本格的な撮影へのステップアップを狙い、一眼レフを欲していたこの層にも、一通りカメラが行き渡った感もある。09年の発売が予定されている、オリンパスのポケットサイズ一眼レフ(新規格マイクロフォーサーズ対応)など、期待の製品もあるが、「エントリーモデルを出せば売れる」という時代は、すでに終わりに近づきつつある。
(桑原 幸作)

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