「JR、阪急、阪神」競合区間のベスト路線は? 「大阪―神戸間」は運賃と時間以外に要因あり

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うめぐるバスのバス停(筆者撮影)

ところで、関西通なら「キタ」を周回するバス「うめぐるバス」を思い浮かべるだろう。「うめぐるバス」は阪急バスによって運営されており、茶屋町からJR東西線の北新地駅を周回する。当然のことながら、阪神梅田駅、JR大阪駅、阪急梅田駅にも立ち寄る。

一見便利そうなバスだが、数々の欠点を抱えている。一つ目の欠点はバス停が見つけにくいことだ。たとえば、バス停「阪急梅田駅」は阪急三番街高速バスターミナルにあるので、バスターミナルの存在を知らなければ、まずバス停は見つけられない。また、「うめぐるバス」のバス停のサイズは通常のバス停と比べると3割ほど小さい。明るい緑色で塗られているが、サイズが小さいため、案外見つけにくい。なお、バス停には大きく「約10分間隔で運行」と書かれているが、日中は12分間隔で運行されるので注意したい。

大阪駅、梅田駅の構造は複雑かつ不便なため、大阪駅、梅田駅構内を極力、歩かないようにするのがコツだ。そのため、神戸方面から大阪駅、梅田駅へ向かう場合は所要時間や運賃だけでなく、目的地に近いところに着く路線を選択することがとても重要だ。

意外と使える伏兵、JR東西線

阪神間の鉄道比較で必ずと言っていいほど、抜け落ちている路線がある。それがJR東西線(京橋―尼崎間)だ。JR東西線は尼崎駅からJR神戸線、JR宝塚線、京橋駅から学研都市線に乗り入れる。

JR北新地駅(筆者撮影)

JR東西線の駅の中で大阪駅に最も近いのが北新地駅だ。大阪駅と北新地駅の間は400mほど離れており、徒歩約10分でアクセスできる。北新地駅の強みは駅名が指し示すとおり、歓楽街である北新地に近いことだ。酔いが回った状態で複雑な大阪駅構内を歩かず、すぐにJR東西線の電車に乗れるのはうれしい。北新地駅から三ノ宮駅まで乗換が不要なことも大きな強みだ。ただし、JR東西線からJR神戸線へは普通列車しか乗り入れないのでそのまま乗り換えずに三ノ宮まで向うと、北新地駅―三ノ宮駅間の所要時間は48分(日中時間帯)もかかる。なお、JR東西線の終着駅にあたる尼崎駅ではJR神戸線の快速、新快速に乗り換えられる。

北新地駅―三ノ宮駅間の運賃は大阪―三ノ宮間と同じ410円。特例として尼崎―大阪間の有効な定期券・回数券を持っている場合は北新地駅での乗降が認められる。同じく、尼崎―北新地間の有効な定期券・回数券を持っている場合は大阪駅での乗降が可能だ。

少し違う角度から阪神間の鉄道を見ると、新たな発見がたくさんある。時間に余裕がある際は、ぜひ阪急神戸線、JR神戸線、阪神本線に乗り、それぞれの特徴を感じて欲しい。

新田 浩之 フリーライター

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にった ひろし / Hiroshi Nitta

1987年兵庫県神戸市生まれ。2013年神戸大学大学院国際文化学研究科修了。関西の鉄道をはじめ、中欧・東欧・ロシアの鉄道旅行、歴史について執筆。2018年にチェコ政府観光局公認の「チェコ親善アンバサダー2018」に就任。

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