「保険」と「ワイン」? アクサが実践する絶妙のマリアージュ


 5時の終業とともに会場に社員が続々と集まってきた。年に1度、アクサグループのワイン販売会社が開催するワインテイスティング会は、今年も大盛況を収めた。

フランス最大級の保険・金融グループアクサは、保険料収入の一部をワイナリーに投資、運用している。所有するワイナリーの資産価値は、現在、アクサグループの全運用資産総額の0.26%。始まりは1980年代初頭。アクサの創始者クロード・ベベアール氏が「すばらしいテロワール(土壌)の畑を購入し、その畑を価値に見合ったものとして活用すること。最終的にはすばらしいグランヴァン(高級ワイン)を造ること」を目指し、投資のひとつとしてワイン業界を選択したことにある。今では「ワイン業界への投資によってワインに触れる楽しさを全世界の従業員が共有している」(ワイン販売・輸出担当のジェローム・ピレ氏)。

アクサワインの代表的な銘柄には、87年、最初に買収した「シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン」がある。このシャトーは仏・ポイヤック地区で第1級に格付けされている。そのほか92年に買収した仏・ソーテルヌ地区の「シャトー・スデュイロー」は、彼の「シャトー・ディケム」に隣接。第1級に格付けされ、同地区ではトップ3に入るシャトーだ。直近のワイナリー購入は2002年の仏・ラングドック地区だが、フランスだけでなくポルトガル、ハンガリーでも所有している。「ヨーロッパに限定しているわけではなく、ほかの土地もつねに探している」とピレ氏。

88年に買収した「シャトー・カントナック・ブラウン」を05年に売却するなど、ワインの格を上げて転売することも行う。「ピション・ロングヴィル・バロン」は昨年、2つ目の発酵槽をつくるなど、名声に甘んじることなく大きな設備投資も続けている。

ワイン造りは保険契約という長期負債を抱える保険会社にとって、ALMの観点からも理にかなった長期投資。「大量生産ではなくクオリティの高いワインを生産するのが目的。まだまだ価値は上がる。特級の畑になるよ」とピレ氏はいたずらっぽくウインクした。

(生保・損保特集編集部)

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