ボーイング、JAL失注で”米国回帰”加速か 中国、韓国も生産地の候補か

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10月11日、日本航空のエアバス機購入決定は、ボーイングにとって当然痛手だが、米国の製造業に恩恵をもたらす可能性も秘めている。北京で9月撮影(2013年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[ニューヨーク/東京 11日 ロイター] - 日本航空(JAL)<9201.T>のエアバス機購入決定は、ボーイングにとって当然痛手だが、米国の製造業に恩恵をもたらす可能性も秘めている。現在日本企業が担っている機体製造業務の米国回帰が期待できるからだ。

ボーイングはここ50年、翼や胴体部分の製造を他企業に委託する傾向を強めてきた。ボーイング機の生産には多くの日本企業が関係しており、このため、日本の航空会社はボーイング機を購入し続けてきた。日本の製造業がボーイング機製造に携わり続ける限り、日本市場ではボーイングがエアバスを押さえて圧倒的地位を保つという好循環だ。

ところが、JALは今月7日、エアバス機の導入を発表した。大型機ボーイング777型機の更新にあたり、エアバスのA350型機を選定したのだ。契約額は95億ドル。発表を受け、業界関係者からは、ボーイングが今後日本企業への製造委託を減らし、委託先を本国米国を含む他国にシフトさせるのではとの声が挙がった。

ボーイングは777型機の次世代モデルである777Xの設計を年内に固め、2020年までに就航させる計画。

日本の航空会社は、トラブル続きの787型機(ドリームライナー)では大口顧客だが、777Xについては今のところ顕著な買い手ではない。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリスト、ロン・エプスタイン氏は、777Xの生産で、787型機の方針が踏襲されることはないとみており、日本企業は参画するが「ビッグプレーヤーにはならないだろう」と述べた。

ボーイングは、777Xの生産体制についてあらゆる選択肢を検討中とし、JALの決定が影響を及ぼすどうかは明言を避けている。

7日に発表した声明で「JALとの確固たるビジネス関係は50年以上にわたって築き上げてきており、今後もその関係が継続していくよう努力する」と表明した。

三菱重工業<7011.T>、川崎重工業<7012.T>、富士重工業<7270.T>各社の関係者は、777X生産参加の可能性について、機体が正式発表されるまでコメントできないとしている。

777Xのお披露目は11月のドバイ航空ショーと予想されている。ドバイ航空ショーでは、エミレーツ航空が大型機150機を発注する計画で、777Xが最も有力とされている。

787型機の翼部分を担当しており、ボーイングが翼の生産を米国に移した場合最も影響を受ける三菱重工の広報は、「ボーイングが下す決定。もし翼の生産を依頼されれば、最善を尽くす。依頼されなかったとしても、引き続きできる限りのことをする」と述べた。

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