【産業天気図・海運】外航主体の大手3社好調で08年度後半以降も晴れ模様。ただBDI大幅下落や円高進行で先行き不安は増大
08年10月~09年3月 | 09年4月~9月 |
海運業は2008年度後半、09年度前半とも「晴れ」となりそうだ。ただバルチック海運指数(BDI)の大幅下落など不安要因も浮上、前回の「快晴」からは後退することとなる。もっとも、見通しを下げたとはいえ、今期の大手海運の利益水準が歴史的高水準となりそうなことは間違いなさそうだ。
個別企業では、内航主体の関西汽船<9152>は今08年12月期は営業赤字が拡大する公算。栗林商船<9171>や佐渡汽船<9176>、東京汽船<9193>もそれぞれ今期業績見通しを大幅減額した。
一方で、外航主体の日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運大手3社はBRICs諸国の高成長を背景にブラジルから中国への鉄鉱石船を中心に荷動きが活発だ。日本郵船は下期の海運市況悪化を見込んで今09年3月期営業利益予想を期初の2140億円から2070億円に減額したが、「東洋経済オンライン」では想定が厳しすぎるとみて2220億円に増額した。商船三井は好調なバラ積み船市況を受けて、今期営業利益2800億円の期初想定から3000億円へと一転増益に上方修正した。川崎汽船の今期営業利益1240億円の期初想定のままだが、バラ積み船の積み荷増や運賃上昇が想定以上なので1300億円と一転増益になると見ている。原油価格が下降に転じているのも海運会社にとっては追い風だ。
ただ、ここにきて新たな不安要因も出てきている。最大の要因はBDIの大幅下落だ。9月16日のBDIは4760。一時1万の大台に乗っていた同指数だが、北京オリンピック後も一段の下げを見せている。急激な円高も海運会社にとっては業績の下押し要因となる。
【山田 雄一郎記者】
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