徳洲会についにメス、特捜部が家宅捜索 徳田毅代議士の公選法違反に関する内部資料入手!

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たとえば、「鎌ヶ谷」人数4、「札幌東」同3、「宇治」同5など、まず病院と選挙期間中の運動員の人数が割り当てられており、その期間中、交代で選挙運動に当たれるように、一つの病院で複数の名前が書かれている。部署は、経理課、資財か、総務課、放射線科、薬局、医事課、リハビリ科などさまざまで事務長や技師長などの役職者もいた。

関係者によると、徳洲会のトップである徳田虎雄・元衆議院議員の選挙の時から、こうしたグループの職員らの派遣が行われてきたが、虎雄氏の二男である毅氏が衆議院選挙に出馬するようになってからは、グループかつ組織ぐるみの色彩が強くなったという。

また、虎雄氏が難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)にかかった後は、家族ら関係者が中心となって、まさに組織的な応援態勢をとってきたという。

徳田ファミリーの病院「私物化」の実態明らかに

今回、東京地検特捜部が家宅捜索に入った湘南鎌倉総合病院(写真)は、日本最大の医療法人グループ、徳洲会の中核的な病院だ。15階にはグループのトップである虎雄氏が入院しており、虎雄氏の病室には来客が多く、多くの政治家も来訪している。また、グループの意思決定に関する会議も同じフロアで行われてきた。

一方、東京本部(東京・千代田区)には、虎雄氏の二女など徳田家のファミリーも働いており、選挙違反に関する資料があると見なされているもようだ。

公職選挙法では、第三者が資金を提供して運動員を派遣することを禁止しているが、徳洲会は全国40以上の病院職員を強制的に派遣して、その運動資金も提供していたとみられる。グループの中には、社会医療法人、特別医療法人といった税制的に優遇を受けている公益性の高い医療法人も含まれる。

今後、こうした徳田ファミリーによる「私物化」の実態が明るみに出た場合には、徳田ファミリーを中心とした経営陣の見直しも含め、グループのあり方が問われることになりそうだ。

木村 秀哉 東洋経済 記者

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きむら ひでや / Hideya Kimura

『週刊東洋経済』副編集長、『山一証券破綻臨時増刊号』編集長、『月刊金融ビジネス』編集長、『業界地図』編集長、『生保・損保特集号』編集長。『週刊東洋経済』編集委員などを経て、現在、企業情報部編集委員

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