「ガリガリ君」は1割減、長雨の影響は甚大だ 回復傾向にあった個人消費には「冷や水」も

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長雨に見舞われたのは屋外プールも同じこと。「東京サマーランド」は「雨が続き、中旬まで客数は3割減の状況」(親会社の東京都競馬)。よみうりランドは「プールの利用者は約4割減ったが、逆に遊園地はイベントが好調なこともあり、約3割増えた」という。

夏の風物詩であるビアガーデンにとっても痛手だ。明治神宮外苑の「森のビアガーデン」(ロイヤルホールディングスが運営)は中旬までの売上高が1割弱の減少。商業施設などでビアガーデンを運営するゼットンもやはり約1割減で推移しているという。

ホットコーヒーやマスクが売れている

一方、季節外れなものが売れている。コンビニやスーパー各社のおでんが好調であるほか、「ホットコーヒーが8月に入って約3割の伸び」(ファミリーマート)。体調を崩す人が増えたのか、「この時期としては異例だが風邪薬、マスクが2ケタ増とよく売れている」(イオンリテール)。

やや回復傾向にあった国内消費はどうなるのか。8月14日に内閣府が発表した4〜6月期の実質GDP(国内総生産)1次速報では民間消費が前年同期比0.9%のプラス。家計の消費支出も6月は前年を上回り好調だった。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査室長は「雇用者所得が増えていない。天候不順も下押しの一要因となり、7〜9月のGDPは0.1%のマイナスになる。所得支出もまたマイナスだろう」と予測する。

雨がやんだ21日以降からは、「森のビアガーデンの予約は前年比20%増になっている」(ロイヤルHD)。「9月の残暑が続けば、サマーランドも挽回のチャンスはある」(東京都競馬)。

ただ今後懸念されるのは、日照時間不足などで野菜が高騰し「より個人消費への影響が大きくなる」(斎藤氏)こと。長雨の影響はどう出るのか。

東洋経済 消費動向取材班
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