iPhone8がもたらす「メモリー不足」は深刻だ 各社がメモリーチップの供給不足に備え

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 6月21日、米アップルがiPhone(アイフォーン)の最新機種「8」を年後半に発売すると見込まれる中、世界の電機メーカーはメモリーチップの供給不足に備え、部品確保に奔走している。写真は現行のアイフォーン7。仏ボルドーで2月撮影(2017年 ロイター/Regis Duvignau)

[ソウル 21日 ロイター] - 米アップル<AAPL.O>がiPhone(アイフォーン)最新機種「8」を年後半に発売すると見込まれる中、世界の電機メーカーはメモリーチップの供給不足に備え、部品確保に奔走している。

世界最大級のメモリーチップメーカーでもある韓国のサムスン電子<005930.KS>やアップルなどは、深刻な影響が出ることはまずない。しかし、業界関係者によると、他のメーカーの中には価格に上乗せしても長期契約を結び、部品確保に乗り出す動きがあるという。

そのほかにも、これまでよりも早い時期に注文を確定させ、在庫の確保に努めるメーカーもある。

LG電子は調達決定を前倒し

韓国のLG電子<066570.KS>は「供給不足を受け、調達決定を前倒しした」とし、部品調達に関する四半期ごとの判断を約1カ月早めたとする声明を公表。安定供給を確保する狙いを強調している。

半導体チップの製造技術はますます高度になってきており、投資コストが拡大する一方で製品の歩留まりは悪化している。その結果チップ価格は1年前と比べて2倍、3倍に高騰している。

機器メーカーの中には、複数の処理を同時に行うのに使うDRAMチップや、長期のデータ保存に必要なNANDチップで十分な供給を確保できず、新製品向けの搭載縮減を迫られるケースもありうる、と話すアナリストもいる。

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