米WD、東芝半導体買収に最低2兆円を提示へ

15日までに表明=関係者

 6月10日、東芝の半導体メモリー事業の買収に名乗りをあげている合弁パートナー、米ウエスタンデジタルが、産業革新機構などと組んだ日米連合の買収提案を少なくとも2兆円に増額する意向であることがわかった。写真はウエスタンデジタルのロゴ、米カリフォルニア州で1月撮影(2017年 ロイター/Mike Blake)

[東京 10日 ロイター] - 東芝<6502.T>の半導体メモリー事業の買収に名乗りをあげている合弁パートナー、米ウエスタンデジタル<WDC.O>が、産業革新機構(INCJ)などと組んだ日米連合の買収提案を少なくとも2兆円に増額する意向であることが10日、わかった。同社は東芝が取締役会で優先交渉先を選定する予定の15日までに新たな買収案を提示する。

また、東芝側と買収の調印ができれば、同事業売却の入札差し止めを求める国際仲裁への請求を取り下げる。関係者が明らかにした。

同事業の買収には、米半導体大手ブロードコム<AVGO.O>なども応札している。ブロードコムは米投資ファンドのシルバーレイク・マネジメントと組み、およそ2兆2000億円の買収案を示したとみられる一方、WDによるこれまでの提示額は東芝側が希望する2兆円に達しておらず、売却先の選定ではブロードコムが優位にあるとする見方も出ている。

WDは9日、スティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)らが東芝の綱川智社長らと会談。この中で、東芝側はWDが同事業を買収するには少なくとも2兆円以上の提示が必要との意向を伝えたという。東芝はこのトップ会談について「取引が成功する見通しについて、われわれの懸念は払拭されなかった」とのコメントを出した。

関係者によると、WDは15日までに東芝に提示する新たな提案の中で、買収金額を少なくとも2兆円に引き上げるとともに、三重県四日市市にある同半導体工場で製造棟二つの新設に向け約2.8兆円の設備投資を計画。さらに今後10年間に研究開発などを推進するため、4兆円規模を投資する意向を表明する。

WDによる東芝の半導体事業の買収については、各国の独占禁止法をクリアできるかどうかが大きな懸案になっている。関係者によると、WDでは、この問題を打開する方策として、当初は、株式取得ではなく、社債の購入による資金提供を提案する考えだ。

(山崎牧子)

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