鉄道が登場する映画は今も昔も「名作揃い」だ

寅さんや高倉健主演作…日本映画の名場面

「大いなる旅路」のロケには国鉄が全面協力し、山田線では実際に8620形蒸気機関車を脱線転覆させて撮影したという大迫力の映像が伝説的なシーンとなっている。映画のラストには高倉健演ずる特急「こだま」の運転士が、定年を迎えた老機関士の父と母を乗せて颯爽と走るシーンもあり、健さんファンならずとも名場面といえるだろう。

年月は下って、高倉健が演ずる鉄道員を描いた「鉄道員(ぽっぽや)」(1999年・東映・降旗康男監督)は、北海道の小さな駅で定年を迎える駅長を描いたドラマである。私はこの健さんの名作を見た時、瞬時に「大いなる旅路」で特急「こだま」を運転していた健さんの姿を思い浮かべた。

「大いなる旅路」で、三國連太郎演じる父と母を乗せた「こだま」を運転する息子が高倉健だったことを思えば、「鉄道員(ぽっぽや)」において、北海道のローカル駅で鉄道員としての終焉を迎える高倉健の姿は、ひょっとしたら「こだま」を運転していたあの鉄道員の30年後の姿ではなかろうか?「こだま」の運転士を経て、転勤の果てに北海道のローカル駅長で鉄道人生を終える……というのは、鉄道ファンの単なる郷愁であろうか。映画とはそういう楽しみ方もあると思う。

ブルートレインも映画の舞台に

かつてのブルートレイン「さくら」。ブルトレも多くの映画の舞台となった

「大いなる驀進」(1960年・東映・関川秀雄)は、かつて大ブームを巻き起こしたブルートレイン「さくら」の東京-長崎間のドキュメントドラマだ。短編成ながら実物の列車をロケ用に貸し切り運行して撮影されたといい、当時デビューしたばかりの20系客車「さくら」が、EF58形電気機関車やC62形蒸気機関車、C61形蒸気機関車などに牽引されて登場する。この映画も国鉄全面協力ということで実現したのであろう。ブルートレインファンには必見の作品である。

この続編というわけではないが、1967年に公開された「喜劇急行列車」(東映・瀬川昌治監督)は、まだ「寅さん」を演じる以前の渥美清がブルートレイン「富士」の車掌長役で出演する。東京-西鹿児島間の珍道中を描いた喜劇仕立ての映画で、幾多のシーンの中で後年の「寅さん」を思わせる渥美清の演技が見られる。

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