新発見連続!「こだま」で過ごす4時間の旅 「車窓」ツアーで見えた沿線風景の秘密

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山本さんによると、正解はなんと「約4000年」。タンクができたのは約20年前で、ビールのように見える外観の塗装は「何か楽しいしかけを」(山本さん)との発案で施された。上3割が「泡」、下7割がビールという、もっとも美味しく飲める「黄金比」となっているのだという。

新幹線の車窓といえば、これまたおなじみなのが「727」と大きく描かれた「あの看板」。大阪に本社を置く化粧品メーカー、セブンツーセブンの野立て看板だ。今回のツアーでは、同社企画室長の磯島裕介さんが車内に登場し、その「秘密」を語った。

同社は全国の美容室などに化粧品を販売するメーカー。社名の「727」は旅客機のボーイング727型機などと関連しているのか…?との問いには「創業者(宮副武次氏)の誕生日が7月27日だからです」(磯島さん)。会社創業の日も7月27日だ。

新幹線沿線に野立て看板を設置し始めたのは1979年からで、数ある広告の中で独自性を出そうとの狙いがあったという。今では車窓風景の一つとしてすっかり有名になった「727」の看板だが、さらに知名度を上げようと期間限定デザインの看板も出された。すでに期間は終わってしまったが、その秘密が気になる人はこの記事を参照してほしい。

人はプチプチをつぶさずにはいられない

「東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!」(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ユニークな看板はほかにもある。新横浜―小田原間にある、黄色地に青い文字で「プチプチプチ……」とらせん状に文字が描かれた看板もその一つ。これは梱包材の「プチプチ」を製造・販売する川上産業による野立て看板だ。

今回のツアーでは、この看板を通過したあたりで、同社からのプレゼントとして各種の「プチプチ」が参加者に配布された。客席に「プチプチ」が配布されると一瞬車内は静まり、さっそくあちこちから「プチッ!」「プチッ!」と気泡をつぶす音が。「人間はプチプチを手にするとつぶさずにはいられないんですね」との栗原さんのコメントに、車内には笑いが沸き起こっていた。

東京から新大阪まで、車窓観察とトークを楽しみながら約4時間を過ごしたこのツアー。愛知県から参加した夫婦は「栗原さんと久野さんのトーク、ゲストの方々の話が面白くて4時間の旅が全然飽きなかった」。神奈川県在住の男性は「新幹線の車窓にここまで注目したことはなかったが、こんなにいろいろなものが見られるんですね」と、新鮮な驚きを語った。

これからちょうど年末の帰省シーズン。本を片手に「こだま」で東海道新幹線の車窓に映るあれこれを観察しながらの旅も楽しいのではないだろうか。

小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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