韓進海運の破綻が米国に与える打撃の中身 輸入コストが一時的に上昇か

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 9月8日、韓国の海運最大手、韓進海運が経営破綻したあおりで、米国では家具や衣料品、生果物、冷凍肉など幅広い商品で輸入コストが上昇する見通しだ。写真は韓進海運のコンテナ。仁川の港で7日撮影(2016年 ロイター/Kim Hong-Ji)

[シカゴ 8日 ロイター] - 韓国の海運最大手、韓進海運<117930.KS>が経営破綻したあおりで、米国では家具や衣料品、生果物、冷凍肉など幅広い商品で輸入コストが上昇する見通しだ。

業界筋によると、韓進海運の先行きが不透明となったため、小売業者はクリスマス商戦を控えて用船の確保に奔走しており、運送業者はコンテナ貨物の運賃を来月初めに50%程度引き上げると発表した。

米農務省は8日のリポートで、韓進海運の破綻で港湾運営や船舶貨物などの業界は向こう2、3カ月にわたって混乱し、米韓の貿易にも影響が及ぶ可能性があると指摘した。米西海岸からアジアへのコンテナ貨物の平均運賃は5月以降、2倍強に上昇しており、さらに上がる可能性があるという。

米貨物輸送大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)<UPS.N>は8日、貨物サービスの需要が急増し、アジアの顧客との間で韓進海運のコンテナに積み込んだ商品を別の船舶輸送会社や航空会社に切り替える作業を進めていることを明らかにした。

韓進海運は世界第7位の海運会社で、同社の破綻により約140億ドル相当の貨物が身動きが取れない状態に陥っている。

穀物輸出業者の業界団体である農業輸送連合(ATC)の責任者、ピーター・フリードマン氏は貨物業界について「今のところ需要が供給を相当上回っている。だれもがまだ荷物を積む余裕のある業者を見付けようと躍起になっている」と話した。「最も厄介なことになっているのは韓進海運の船に貨物を預けた業者だ」という。

荷主が韓進海運から貨物を取り戻し、商品が傷んだり顧客の要望した時期に配送できなくなるのを避けるためには、港湾業者とトラック運送業者に高額の手数料を支払う必要がある。

業界アナリストは、船舶の輸送能力は回復に向かい、運賃の上昇は一時的だとみている。

ただ、小売業界は競争が激しく、業者は輸送コストの上昇を顧客に転嫁するのを避けようとするため、短期的には利幅が縮小する公算が大きい。

フッカー・ファニチャー<HOFT.O>のポール・トムス最高経営責任者(CEO)は8日の決算発表の際に、韓進海運の破綻で短期から中期にかけては船舶輸送コストが上昇するが、同社製品コストへの影響は小さいとの見方を示した。

(Karl Plume記者)

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