円安続けば、電気料金「2割」値上げも 料金改定に燃料費調整制度が追い打ち

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2月20日に発表された今年1月分の貿易統計によると、原油が6万1288円と前月比4.8%高、LNGが7万3726円で同9.7%高、石炭が1万0471円で同5.7%と軒並み上昇。1月は為替が1ドル=87~91円へと5円前後上昇しており、それが円建て輸入価格を押し上げた。

その結果、今年1月までの3カ月間の平均燃料価格が反映される4月の電気料金は、7415円(2月27日発表)と直近の底に当たる2月から2%の上昇となった。さらに、円相場が1ドル=93円前後へ進んだ2月の燃料価格が反映され始める5月以降、電気料金は一段と上がることが必至だ。

仮に4月にかけて今と同じ為替、燃料価格が続くとすると、7月の電気料金は7700円台へと2月に比べて約6%以上の上昇となる。これは昨年9月の料金改定時と比べても約200円高い水準となりそうだ。

地域により、家庭用で15~20%アップの懸念も

問題は、値上げがこれだけにとどまらないことだ。

電力業界では今後、東電以外でも「料金改定」が相次ぐ見通し。家庭向けの料金改定については、関西電力と九州電力が4月からそれぞれ平均で11.88%、8.51%の値上げを申請しており、自由化部門の企業向け値上げ率は各19.23%、14.22%とさらに上回る。

そして大震災の被災地をカバーする東北電力と、四国電力も、家庭向けで各11.41%、10.94%の値上げを7月実施で申請中。企業向けは各17.74%、17.50%を予定している。原子力発電所の停止長期化によって、原発部門の固定費負担と、原発を代替する火力燃料の“量”拡大が業績を劇的に悪化させているためだ。

さらに、燃料費調整制度を通じて夏には軒並み数%の値上げが上乗せされる見通し。まさにダブルパンチだ。各電力会社は原油、LNG、石炭の燃料構成比が異なるため、同制度を通じた料金への影響はまったく同じではない。

たとえば東電はLNGの割合が高いが、四国電力は石炭の比重が多い。とはいえ、円安が燃料価格を押し上げる要因であることは共通している。

料金改定の幅は政府の審査によって多少圧縮される可能性もあり、実施時期が後ズレすることもありうる。ただ、もし申請通りに料金改定が実施されたとすれば、そうした地域では、燃料調整制度による値上げ分と合わせて、家庭向けの電気代は今より15~20%程度上昇することになる。

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